処理水を海へ流すとどうなるかを考える
本日、政府がトリチウムなどの放射性物質を含む処理水を海洋放出する方針を固めたとのこと。
この話をするにあたり初めに述べておくと、処理水自体は自然界に存在する放射線濃度以下であり有害なものでは無いと言えます。
さて、キチンとした処理を経て流される処理水ですが、他に何か問題はないのでしょうか。
ここでやはり懸念されるのは「風評被害」をもたらすことです。
それがたとえどれほど安全であったとしても、人は福島県沖周辺の魚を敬遠するでしょうし、そうなれば当然に漁業を生業としている方への賠償問題は避けて通れません。
加えて、福島沖から東北沖、さらには日本近海で取れた魚の取引を停止する事業者、果ては輸入制限(これまで韓国が輸入制限したことが話題になりました。)も考えられます。
いかがでしょうか。ここまで述べたことはごく一部の損害であり、被害は海産物に限らずその他多くの食品類、果ては日本製の商品にも広く及ぶかも知れません。
国と東電は、損害が発生すれば丁寧に対応していくと述べており、賠償に応じる姿勢を見せています。
再び目に見えない「風評被害」との戦いが始まることを思うと、東電の福島への責任を全うする日は来るのでしょうか。
賠償金は今年度にも10兆円を超す見込みです。これも一つの通過点に過ぎず、まだまだ多くの問題が山積みと言わざるを得ません。